「神奈川/関東大会」は、8月3日のプレ企画から8月7・8日の現地見学まで、たくさんの参加者とよい天気に恵まれて、無事終了することができました。
全国から、そしてもちろん神奈川県内から参加して下さったみなさまのおかげで、869名の参加者を得て大会は成功裏に終わりました。
参加者のみなさま、ありがとうございました!!
プレ企画では、山田朗明治大学平和教育登戸研究所資料館長の講演では、秘密戦について学びました。その後は、「保存の会」の方々や資料館スタッフのご協力のもと、構内見学・資料館見学をみなさんにしていただくことができました。
8月4日の開会集会では、映像と本人も交えた朗読劇構成の現地報告、金平茂紀さんによる記念講演ともに大好評でした。
8月5・6日の分科会では、各分科会で活発な議論が交わされました。
6日午後の閉会集会の第一部…中学生による朗読劇では、大空襲の日の緊迫感まで伝わってくるようでした。高校生と大学生による2つのグループの活動報告は、活動内容が深く、素晴らしいものでした。
第二部では、参加者による力強い感想を聞くことができました。
そして、神奈川から京都へ!―バトンを渡しました。来年の開催地京都からは、「(自分一人ではなく)必ず1人連れて京都へ来て。」という力強いメッセージをいただきました。
7日(憲法の源流をたどるコースは7・8日)の現地見学では、それぞれの場所(行き先)で新しい発見や学びがあったと思います。
学生や若い教員の「若手スタッフ」の姿を、道案内から始まって随所で見られた方も多いことでしょう。たくさんの若者が参加して大会を盛り上げてくれました。
明治大学、法政大学第二中・高等学校に集まってくださったみなさま、また、陰で支えて下さったみなさま、本当にありがとうございました。
Facebookもぜひ見てください。【神奈川県歴史教育者協議会】で検索してください。
☆☆☆ 開会集会 現地報告『君たちには話そう ―よみがえる陸軍登戸研究所―』
法政大学第二高等学校の生徒達が、登戸研究所の偽札などの闇を掘りおこし、その後も続け
ている! その実践を、生徒や教員、当時の生徒や教員、協力した市民のみなさんが登場して
報告します。
☆☆☆ 記念講演 金平茂紀さん (テレビジャーナリスト)
『憲法施行70年 ジャーナリストが見た 日本の教育』
<<金平さんからのメッセージ>>
世界は今、揺れている。トランプ米大統領の言動や、ヨーロッパの右翼的潮流の高まり、東アジア諸国の政治の混迷と日本との「歴史認識問題」など課題が山積している。
憲法施行70年の今、日本も転換期を迎え、「憲法改正」が現実問題となりつつある。特定秘密保護法や安全保障法制が、強行採決され、「共謀罪」創設が問題になっている。
「ゆれる世界」の現場を現在進行形で取材している中で、見えてきた日本の国の在り方や教育の特殊性をお話ししたい。(2017年3月)
金平茂紀さんの著書・共著がたくさんあります。
☆☆☆ 分科会は、土・日(8月5・6日)に集中開催。
【第一テーマ:歴史と現代】
地域の掘り起こし
日本前近代
日本近現代
世界
憲法と現代の社会
思想・文化・文化活動
現代の課題と教育
平和教育
【第二テーマ:地域・子ども・授業】
幼年・小学校低学年
小学校3・4年
小学校5年
小学校6年
地域の中の子どもたち
中学校地理
中学校歴史
中学校公民
高校
大学
障がい児教育
父母市民の歴史学習
社会科の学力と教育課程
授業方法
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☆☆☆ 5日 17:20~ 地域に学ぶ集い ☆☆☆ その後は、「若者の集い」を予定。
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テーマ |
講師 |
1 |
小田原三城と城下町ー戦国から江戸へ |
小田原城天守閣学芸員 佐々木健策さん |
2 |
19世紀半ばの横浜―遊女・苦力・ペルー |
国立歴史民俗博物館教授 横山百合子さん |
3 |
横浜中華街の歴史と華僑の歩み |
山手中華学院理事長 曽 徳深さん |
4 |
安保と米軍基地問題ー横須賀・厚木・米軍機墜落 |
日本平和委員会 鈴木和弘さん |
5 |
貧困と格差への取り組み |
寿生活支援者交流会事務局長 高沢幸男さん |
6 |
子どもたちの今ー川崎中1死亡事件から考える |
子ども夢パーク所長 西野博之さん |
7 |
ヘイトスピーチ ー出会い直しませんか? |
川崎市ふれあい館 崔江衣子さん |
8 |
授業が面白くなる地域資料の使い方 |
横浜国大教授 多和田雅保さん |
9 |
関東大震災下の中国人虐殺 |
千葉県歴教協 専修大講師 小笠原強さん |
10 |
東京港臨海部の開発を考える |
臨海部開発問題を考える都民連絡会事務局長 市川隆夫さん |
11 |
教科書問題ー育鵬社版歴史・公民教科書を考える |
本部企画 |
12 |
日韓歴史教育交流 |
本部企画 |
13
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日中交流ー日中授業交流の現状とこれからを考える
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本部企画(交流委員会) 中国から教員・職員の方々を招聘 |
☆☆☆ 閉会集会 第1部では、中学生・高校生・大学生による実践報告を予定。
☆☆☆ 現地見学(9コースを予定)
No. |
コース |
A |
海から見える横須賀軍港と米軍基地 (案内:神奈川平和委員会 鈴木和弘さん) |
B |
幕末横浜開港史跡巡り (案内:東京大学史料編纂所 横山伊徳さん) |
C |
石垣山一夜城と小田原城総構えを歩く (案内:小田原城天守閣学芸員 佐々木健策さん) |
D |
みなとみらいから横浜山手へー震災と戦災を軸として (案内:神奈川歴教協 鈴木晶さん) |
E |
中世鎌倉を巡る (案内:神奈川歴教協 大庭乾一さん) |
F |
日本国憲法の源流をたどる (宿泊コース) (案内:元専修大学教授 新井勝紘さん、 郷土史家 鈴木富雄さん、 民権運動研究家 豊雅昭さん) |
G |
浅草 浅草寺周辺の史跡 (案内:東京歴教協 布施敏英さん) |
H |
軍国神社の靖国神社と聖戦史観の遊就館の平和ガイド (案内:東京歴教協 東海林次男さん) |
I |
江戸湾防衛からオスプレイまで―軍事と開発で変貌する君津地域ー (案内:千葉歴教協 栗原克榮さん) |
見どころ・・・ちょっと紹介!
NO.1
・神奈川大会の講演は、金平茂紀さんです。毎週土曜日、“報道特集”でお目にかかっておられる方も多いでしょう。
著作のタイトル『抗うニュースキャスター』そのままの報道姿勢のジャーナリストです。
・金平さんは「沖縄タイムス」の連載『ワジワジー通信』で「沖縄に対して、東京を中心とした「中央」がどのようにふるまい続けているのかで、日本という国の真の姿が見えてくるのです。」と書いています。
・その鋭く熱く厳しく、そして暖かい眼差しで
憲法施行70年 『ジャーナリストが見た 日本の教育』を語ります
・今の日本、今の教育、そして私たちの生き方が判る、今最もお聞きしたい講演者です。歴教協大会記念講演を、金平さんにお願いして本当に良かった!と心から思います。
・ぜひ神奈川大会においでください!
金平茂紀さんの講演をお聞きください。ご一緒に『地域に生きる希望を 子どもたちに』(大会テーマ)、創り出しましょう!
NO.2
・私は平成元年生まれの現在27歳で、実行委員会の中では最年少で す。歴協教大会に参加したのもまだ3回しかありませんが、私の地元である神奈川で大会が開催されるということで、微力ながら実行 委員の大任を受けています。
・今年の神奈川/関東大会は、かなりの規模によるものであることを ご存じでしょうか?まずは、今回会場校となっている法政大学第二中・高等学校は、改修工事が済んだばかりで、少し小さめの大学と言っていいほどの規模・設備を誇っています。私も何度か足を運んでいますが、いつ行 っても本当に中・高等学校かと疑ってしまいます。
・更に会場校の最寄り駅でもある「武蔵小杉駅」は21世紀に入って から再開発がものすごいスピードで進み、新たに主要な電車が止ま るようになるなどして、駅の規模も大きなものになっています。正直、初見では必ず迷います(汗)。首都圏の駅の宿命と言っていいかもしれませんが、大会でご来校される時は必ず事前に道を調べておいて下さい。もう一度言いますが・・・迷います(汗)。
・ただ、それだけ再開発が進んでいることもあり、周辺の施設はとて も充実したものになっていますので、その点で困ることもないです し、武蔵小杉から横浜・東京・千葉・埼玉へのアクセスもバッチリ ですので、大会後に様々な場所を回ることも可能になっています。
・「一度行ったことがある」としても、 日々新しい魅力が生まれ続けているのが神奈川の魅力です。 その裏で、色々な物が無くなっているという影もあります。
・是非、今の神奈川を見に来てください。 後にも先にも今しか見れない神奈川がそこにあります。
夏に実行委員会一同でお待ちしております。
3月27日(月)横山伊徳先生と神奈歴のメンバー2名で、全国大会現地見学Bコース「幕末横浜開港コース」の下見に行ってきました。見学会講師となる横山先生は東京大学史料編纂所教授で、19世紀日蘭関係史がご専門です。横浜には詳しいつもりだった神奈歴の2人は、先生のご案内によって驚きの事実を次々と知り、圧倒的に興味深い見学が出来ました。
スタート地点は意外にも、鶴見川橋のたもとの鶴見橋関門旧跡。安政の五カ国条約で横浜に外国人居留地が出来、10里四方の遊歩区域が設定されますが、その見張として村民や被差別民の常駐を命じた跡なのです!
生麦では生麦事件の現場と、リチャードソンが落命した場所を見て歩きました。薩摩の大名行列警護の侍に切りつけられた被害者4名のうち、1名は女性です。その事実から横浜居留地に、すでにこの頃英国人貿易商の家族が来ていたというお話を聞きます。
圧巻は神奈川台場の遺構でした。人家の裏に五稜郭のように角の突き出た石垣の一部が残存しています。最近新たにマンション工事で発見された部分もあり、その規模は想像以上に壮大です。突貫工事で外国の軍事力に対抗しようとした、開港当時の緊張感が伝わります。この神奈川台場に配備された大砲はと言うと、・・・ネタばれになるのでこれ以上書けませんが、これまた興味深いお話でした。
居留地と言えば港崎遊郭が有名で、遊郭のあった横浜公園には「岩亀楼」と書かれた灯篭もあります。ですが戸部4丁目には、病気にかかって働けなくなった遊女が預けられた「岩亀横丁」の名称が今も残っているのです!はずされて地面の置かれた「岩亀横丁」看板は何を意味しているのでしょうか?
関内に移動し、開港と同時に生糸貿易に進出した石川屋善右衛門の商館跡へ。これが実は現在の開港記念会館なのですが、先生は大正時代の開港記念会館には目もくれず、お話は幕末の石川屋とその正体である越前藩士の岡倉勘右衛門に特化します。
最後は山手の丘に登って、生麦事件を機に始まった英仏軍の駐屯地跡へ。駐屯の目的は、実は太平天国との戦闘で疲れた兵の保養であったと、話は当時の世界情勢に広がります。
見慣れた横浜でも横山伊徳先生のお話から、まさに幕末開港の頃の横浜が浮かび上がってきた見学でした。
全国各地から参加する人だけでなく、神奈川や横浜をよく知っている人にもお勧めの、ディープな横浜の歴史を知るコースです。貸し切りバスと徒歩で効率よく廻る予定です。是非是非ご参加下さい。
神奈歴 M・K