2017年度 Youth Salon(青年部会)

第1回目~5回目の報告ページ

第5回 Youth Salonの報告

2018325日 

 

 参加者は17名(学生10名、教員7名)です。初参加が3名、久しぶりに参加をした方が2名と大盛況でした。

 

模擬授業実践(明治初期の外交)

<授業進展> 設定:高校2年 偏差値60程度

 前回は文明開化(江戸から明治)。今回は対外政策

  板書:明治の初期外交「明治のはじめの外交が今後の日本の国際関係に影響している‼」

 〇「不平等条約」→覚えてる?プリントに書いてあるけど…

   安政の5か国条約→日米修好通商条約と一緒に…

   内容の確認(口頭にて)

  ・プリントの空欄補充「在留外国人の○○を認める」→領事裁判権

   「○○の欠如」→関税自主権

   「ア、岩倉具視」「イ、岩倉使節団」

  ・外交の目的から…岩倉使節団のエピソード

  ・資料確認「久米邦武『米欧回覧実記』」

   →アメリカで最初に見たものを書いてある…何? 話し合う。A:ホテル

 〇琉球との関係

  琉球は今の「沖縄」→「対外関係じゃなくない?」…この時代まではそうでなかった。

 〇清との関係

 ・1871年 日本と中国の間でキ、日清修好条規が締結。板書:冊封体制

〇朝鮮との関係

1873年朝鮮に対して軍事行動を起こそうとする意見(ク、征韓論)が強まる。

  →対馬と朝鮮のやり取り「親書に「皇」「勅」という言葉が…」大院君との排斥論

 ・1872年~中略~ケ、台湾出兵

 ・1875年~中略~コ、江華島事件

 ・翌年江華島事件の責任を追及するとして サ、日朝修好条規を結ぶ。

  →日朝修好条規の内容確認。

 

<質疑応答>

実践者より:最初は条約改正をやろうとしたが、構成の関係でカットした。教材研究が難しいと思った。内容が浅いと思っている。与えられた分をやり切ろうとすると、浅い授業になってしまう気がする。教科書の語句をすべてさらうべきなのか、資料集や教科書の線引き等で済ませるのか。どう扱うのか。

〇そもそも「深い」とは何か?なぜ浅いと思ったのか。

A:前回の模擬授業のやり取りを受けて、教科書の語句だけでは浅いと思っている。なぜ太字なのか、関連させる必要があると思う。

〇生徒の状況に応じて変える。一点に絞ってやるのもあり。

〇物足りなさは私も感じていたこと。現場と実習生を比較した時、現職教員は小ネタで納得させることができる。どうやったらそこまでいけるのかということだと思う。実践者はこれまでの授業を参考にしているのでは?そこから離れて新しいものを入れ込むことで満足できるものになるのでは?自分が思っている以上のところを扱ってみてもいいかもしれない。

〇指導案の7に文章が4つ。岩倉使節団を見た時に、「日米修好通商条約」が大切なことはよくわかる。しかし、その内容がもっと大切ではないかと思うので、そこで話し合いをさせていくことが必要では?プリントの工夫ももう少し必要ではないだろうか。

〇資料集の岩倉使節団でなにをしたかということがわかったが、女子留学生の話が出てこなかったので、そこは意図を持っていたのかどうか?

A:出来れば津田梅子の話をしたかったが、それだと進まないと思ったので、資料で見ておいてねという流れになってしまった。

〇なぜ女性が留学するようになったのかということを触れてもいいのでは?

〇楽しく聞かせてもらった。資料のチョイスもとてもよかった。しかし、授業の目標が何なのかということがわからなかった。生徒にどういった認識を獲得させたいのか、そういった視点を混ぜ込むことが必要ではないのか?

 現場では共通テストなどを扱っている関係もあり、語句の選択は確かに必要だが、ある程度はコントロールをすることができる。

 最後に「不平等条約かどうか?」という問いがあったが、今回の内容では答えられないように感じた。もう少し深く扱ってもよいかもしれない。

〇「浅い」というのは、なんのためにそれをやったのか?という視点が弱いのではないか。岩倉使節団は国境の確定が目的だった。明治に入ってから国境という概念が出てきて、日朝修好条規、日清修好条規などを結んでいった。そういったことを授業内で提示できると納得できるのではないか。

 資料集の活用については、私も授業をやっていて、地図等が載っていることが多いが、そこを整理してあげることが必要。

〇語句をどこまで教えるかということは、「全く教えなくても良い」とも思う。とても楽しい、考える授業であればその必要もないと思う。「生徒の意欲を高めること」が必要だと思う。私はここを短くやっている。生徒が授業を苦に思わないように工夫をする必要がある。

 「深い」とあるが、実践者の一番の関心はどこか?→A:岩倉使節団

 であれば、岩倉使節団について勉強して、資料を用意する必要がある。この授業の大切なところが読み取れなかった。

 私たちも授業を作るのは大変。過去の実践を参考に、自分なりに改良していく。一番最初は授業の研究をするべきだと思う。「岩倉使節団の授業」を集める必要があるかと思う。

〇プリントの修正がいくつか必要。おすすめは最初に全部の文章を作り、白抜きにする。下線等も必要。生徒に対する配慮が必要だと思う。

〇指導案を何度も書き直しているのがわかる。私はプリントを用意されていたがそれでも何回もやり直した。岩倉使節団の目的がサラッと終わってしまったのがもったいなく感じた。

〇黒板がとても綺麗。順々に消していたが、目が映ってしまう気がするので、全体的に確認をしてから消す必要があるのではないか。前回の確認はそれまでのプリントを用いてやるほうがいいのではないか。

〇社会の授業は初めて。高校の時は習わなかったと感心して聞いていた。ただ、同じペースで淡々と進んでいたのが気になった。「~したと思うんだけど」などは使わないほうが良い気がする。

〇プリントで整理していたこと、資料で考えさせていたこと、「深い」ということについて、私は因果関係から考えさせる。

〇プリントは一回自分が書く。資料集は先にページを指定する。そうすると読んでくれるので…。使わないときもどこのページが位は話す。岩倉使節団と、その他の外交は別で扱う。教育実習なので、わかりやすく教えることを意識して…。

〇前回やってみて考えていた。堂々とした姿勢や字を綺麗になっていることを参考にしたい。「深い」「浅い」は現場に出ないとわからない気がする。

〇久米の本を扱っているのが面白いと思った。当時、「宿舎」と言うと、どういったイメージをしていたのか考えてみると面白そう。

 

 実践者は「緊張して昨日はほとんど寝ることが出来ませんでした。」と言っていましたが、それを感じさせない堂々とした授業に皆感心し、議論も白熱したものになっていました。特に、実践者が言っていた「深い内容」というものは現場に立つ教員全員に対する問いかけになる鋭い質問でした。「落としどころをどうするのか」「生徒にどういった力を身に付けさせたいのか」「生徒が楽しんで授業を受けているか」等、ポイントはいくつかありますが、教員が日々学びの姿勢を貫き通す必要性を再認識した模擬授業でした。

 

模擬授業実践「村と百姓」

T:号令

 →白紙のページにクイズを…「明治時代前半に一番人口が多い都道府県は?」

  →解答:A新潟 B京都 C新潟 D愛知 E東京 F東京 G東京 H神奈川

 ・Fさんの解答…わからないので、今の感覚で書きました。

 ・Dさんの解答…米が取れるとテレビで言ってました。

T:正解は…新潟です。柿の種を差し上げます。理由は、Dさんが言っていたけど、米を生産しているからです。柿の種も新潟県産です。

 T:江戸時代多かった身分は…

 S:農民

 T:そうです。だから明治時代はコメの生産地である新潟が多かったんです。江戸時代から明治時代にかけては農業をしていた百姓がとても多かったんです。

 T:もし、みなさんが江戸時代に行ったとしたら、大半は百姓です。もし、百姓になったとしたら、どんな人生を送ったと思いますか?プリントの3Pを見てください。

 T:今日の目的は…。ある百姓の人生を通じて、皆さんの生き方も考えてもらえれば…と思います。

 ―プリント記入―

 T:では答えを埋めていこうと思います。途中の人も一緒に埋めていきましょう。

 T1番…    S:名主

 T2番…    S:組頭

 T3番…    S:百姓代

 T4番…    S:本百姓

 T5番…    S:水呑

 T6番     S:名子

 T:タイトル忘れたんで書かせてください。

 ―タイトル記入―

 T:江戸の「村」について解説…

 

<質疑応答>

〇色々考えすぎて本末転倒になっている。導入で日本史とわからない。林八右衛門について触れていないのも…。素と違うと、落ちている印象がある。取り繕っていると、不安に見えてしまう。実践者ならではの落ち着きを見せるべきではないだろうか。

〇声が裏返っている。キャラにも無理があるのでは…。私も教採の模擬授業は普段の改良版でやった。クイズもいいが、深く突っ込めていない…。もっと本題に焦点を絞っても良い。記述欄の問いももうちょっと具体的に…。

個人的に「百姓」と「農民」の違いは…?アラを探せばいくらでも見えてくるが…。もっと良さを出してほしい。

 A:昔は百姓=農民だったが、今は百姓の一部が農民と言われている。

 〇私の見解は百の生業が(農閑期は別の作業…)「百姓」だと思っているが…。

 A:それで概ね間違いない。

〇プリントについて、細かいまとめが出来ると思う。

 〇この資料でこの問いでいいのかどうか?「人生を考える」とあるが、普通の百姓ではないと思うので…。せっかくの良い資料なので、使い方に様々あると思います。

 〇新任研を受けてきて…魅力的な問は大きな問の中に小さな問が隠れている。単元で大きな問を作り、授業ごとに小さな問を作ると良い。

 

今年教採を受ける予定の大学院生が、2次試験で課される模擬授業を意識したものを実際に行ってくれました。議論の中では他に教採に関係する議論も行われました。教採を受ける予定の学生が教採を突破した若手教員に質問をし、答える形を取っていました。「こんなことを聞く機会は滅多にないからとても有り難い」と、普段教員の話を聞く機会が少ない学生にとって非常に有意義な時間であったという発言があり、非常に充実した会でした。

 

次回日程は422日(日)16時~20時 かながわ県民センター303号です。

 

尚、第7Youth Salon520日の神奈川県歴史教育者協議会の総会の中で行われます。

第4回 Youth Salon の報告

2018年211日(日)16時~20時 709号室

参加者は10名(学生6名、教員4名)

 

   多事総論

話題は卒論(修論)、採用試験、スポーツ(野球・オリンピック)など多岐に渡りましたが、その内容は若者らしく身近な内容であったように感じます。その一方で、担任を持つ教員から単位の修得が危ぶまれる生徒がいて、現在取り組んでいるという話もあり、これぞ「Youth Salon」の多事総論と言える内容でした。

 

   研究報告「入試制度改革から考える教育課題―アンケート調査」

「入試と学力とは何だろう」という報告者の問いかけから作られた卒論です。神奈川県の入試は「前期・後期制」が数年前から共通選抜となりました。この背景には「個性重視」と言われて「前期・後期制」が設置されましたが、前期選抜で合格した生徒に対するいやがらせの問題(実際に報告者もいやがらせを受けたそうです。)や、教員・学校ごとの調査書の評価の違いなどといった問題がありました。一方、共通選抜にしたものの、学校生活がおろそかになってしまう、学習負担が増す、といった批判や、各高校ごとの生徒の質の変化(いわゆる「できる生徒」がいなくなった)などといった問題があり、今後の入試の在り方を考えさせる報告でした。

 

<質疑応答>

Q、他県はどういう入試なのか。

A、群馬では前期後期があった。神奈川と一緒。とある学校では前期より後期の方が重視。中学校によって好き嫌いがある

A、愛知では、県立高を四つにわける。一群・二群のA・B日程。内申点と当日の試験結果の配点は学校による。内申点は中学校の教育をしやすくするためと言われた。尾張地区と三河地区に分かれる。修論でこのことを書こうと思った。でも帰結が見えなかったから研究としてはやめる。

Q、調査書への異常な執着の「異常」とは

A、テスト前にねむれなくなった。などの精神的なこと

Q、前期後期から共通選抜になったことによって私学はどうゆう対策をとったのか

A、前期後期では学校内でできる子がいた。経済的なことで私学には行けないので、前期で一発で受かろうと思う人がいた

O、共通選抜では面接はやる。つまり受験校の調査はするのか。退学する生徒はどう変わったのか。退学率はどうなったのか。

O、子供が減っている。神奈川は私学に厳しい。入試制度とお金の関係は不可分。私立にくる子のやる気がない。私学がどう動いているのか。神奈川は公立王国。私立は公立のあおりを受けている。私立との関係性を考えるべき。入口をゆるくして出口を厳しくするべき。

O、神奈川の入試制度だけでは弱い。塾産業の役割も見れるといい。そうするともっと視野が広がる。大学の新テストにむけて付属校人気が出てきた。中高一貫は気が緩む。付属校からくる人は学力が低い。一貫的に見たときにどうなるのか。

O、修士に進むということで、重箱の隅をつつかれる。研究構想の一つでもガチでやればいける。

O、結論部分で入試制度から教育制度から起因しているのか注意。前期後期の方が幅が広がる。院生として、自分の実践的な授業力と研究のバランスが大切。

O、生徒や保護者のデータがあれば厚みが出るのでは。ないものねだりだけど

O、社会科系の大学に進学する予定の生徒が現代社会のテストで10点台をだす。教科書を捨てようとしてた。入試が目的になっている。

O、僕自身前期で受かった。前期の人は後期で入った人よりも学力が落ちるといわれるが、そうかなぁと。僕の高校も40くらいの偏差値だったが、今は早稲田とか行っている人たちは前期で行っている。前期で受かる子は学校を調べる力があるなぁと思う。実際に前期後期が学力・面接ということを考えたとき、共通選抜っていいかなと思う。面接と学力の配分が学校によって違うが、学校によって変えていくのは賛成。面接にも受験にも頭が行くのは中学生にいい体験になると思う。

O、スポーツで前期受かる人が多い。大学でも前期や推薦入試で入った友達を見ていると、基本的には後期、一般で入った生徒の方が成績がいいかなと思う。学力入試は重点的にやるべきだと思っている。共通選抜も学力をメインで見ていった方がいいのかなと思った。

 

   模擬授業実践(太閤検地と刀狩)

<授業進展>

  秀吉の天下統一までのおさらい

 ・太閤(秀吉)による検地が1582年に始まった。

  →差出検地や荘園の整理を目的に始まった。

 ・検地帳には、等級・面積・石高・耕作者が載っている。

  →土地所有者をはっきりさせるため(一地一作人の原理)

 ・生産量を量る升も統一(京升)

 ・土地面積基準も成立

 ・石高制も成立

  →国人領主の反乱→刀狩り(次回)

 

<質疑応答>

 実践者より:黒板を見すぎた。文字のミスも直したい。石高制をどこまで深めるか。

       他の史料について。最も伝えたい史料を(兵農分離に特化)

〇文字のミスは自分にもある。間違えやすいことが明らかになるから、ポジティブに考える。ただし、入試やテスト等を考えると、文字のミスはなくしたい。

 石高については、資料集に載っている。それを参考にすればいいし、加藤自身は飛ばす部分でもある。飛ばすことで、板書量も減る。机間巡視もできる。仮には、架空の村をつくり、計算の活動を行うとよいかも。

〇ノート派かプリント派か。本時のめあて・まとめをはっきり書くといい。

〇単元目標が大変。時代区分を捉え、授業化が難しい。

〇中世から近世への認識。荘園制の崩壊?

〇「わかる人!」→「わからない人!」で指名する。

〇京升のレプリカ、1石=現代換算は?などなど。

〇配布プリントに問いを入れて強調するとよい。読んでもらえる史料を!

〇支配関係の変化。兵農分離も含めて、時代の変化を感じ取る。

    上から・下からの混乱。

    全体的・個別的にメリットデメリットを。

    史料を読み込むと…川下=被差別へ。生活できない百姓。などがわかる。

    →新たな論点。

〇「所有する」ではなく、まだ封建的。

   マニアックな生徒からの質問には正直に。

   土地制度史は難しい→日本史教員の9割は、荘園が苦手。

   →荘園よりも武士(人物)に着目。公地公民

   →言葉よりも図表を使う。

   →人の支配と土地の支配→支配の仕方まで(米、金、労役…)

    →支配者、税の行きつく先

→多種多様なケース(きりがない…)

〇表現方法は、今の時代に例えるとよい。わかりやすく!

   教科書の表現も参考にできる。

   時間の制約→伝えたいことをはっきりと。

   →秀吉の日本のまとめ方→古代中国の秦と漢(世界史とマッチ!)に似ている。

〇太閤検地のメリット・デメリット 秀吉(天下人)が行った理由。

 

日本史の授業をやるとどうしても情報量が多くなってしまうのですが、実践者はかなり丁寧に言葉を使っていきながら授業を進めていきました。議論では、実際に教壇に立った時、生徒の状況や授業時数の関係などからどうやって授業を進めていくのか、細かい内容についてどこまで説明をしていくのかといったことに議論が集中していました。教員側も普段の授業で扱っていないこともあり、とても勉強になる報告と実践でした。

 

次回の日程 2018325日 16時~20時 県民センター708

模擬授業:大学3年生「明治維新・岩倉使節団」()

 検討会:大学院生「神奈川県公立高校教採の準備…内容と方法の検討」

 

 

第3回 Youth Salonの報告

日時 2018年1月14日(日)12時~16時 神奈川県民センター604号室

内容:Ka(湘南学園)模擬授業実践(中学)
   
Ki(旭丘)生活指導実践報告(高校)

今回は教員チームによる報告でした。

 

参加者は9名(教員5名、学生4名)でした。

 

⓵加藤(湘南学園)模擬授業実践(松方財政)

 第2回のyouth salonで加藤先生が学生に「何をやってほしいですか?」と聞いたところ「松方財政」と即答していました。私が加藤先生の立場であったら震え上がっていたと思います…()

 日本史の授業を行う上でも難易度の高い「松方財政」をどう学ばせていくか、行っていく中でも特徴的だったのは、私を含め教員が全員関心していたことだと思います。明治時代の産業革命、自由民権運動、20世紀以降のアジア侵略まで、以降の日本史を語っていく上で松方財政は外すことができないものであるということを実感させられました。とはいえ、実践者も感想で述べていましたが、「経済は生徒の関心を引きづらいんですよね…」ここは今後の課題にすべき実践でした。

以下、質疑応答です。

 

・質疑応答

Q、生徒に金との兌換がなぜ必要か?という認識をどうやって養っていくか。(今、兌換をする必要(管理通貨制度)がないため。)

A、産業革命のところで金本位制の説明をする。

 背景:列強が金兌換を行っていた。

 →金兌換をすることで貿易がしやすくなる。(列強の一員になることができる。紙幣の違いをクリアできる。

 

Q、アジア「侵略」なのか「進出」なのか

 A、学校による。私立はわりと自由にやりやすい

 A、「色々な考え方がある。」と教える

Q、配った史料は使わないのか?

 A、状況によって用いている。

Q、紙幣の乱発という話があったので、色々な紙幣(実物)があるとよいのでは?

 A、その辺は、やり切れていなかった。

O、単元ごとで生徒の認識がどう変化しているか、それを評価していく形をとっているという教員もい

 る。

Q、「最初から国立銀行一本にすればいいじゃん」という意見にどう答えるか?

A、アメリカを模しているので、(国立銀行1本化はイギリスの制度)そういったところが関係しているの

 では?

O、松方財政は難しいので、本当に勉強しないとドツボにハマる。必ずしも全部説明する必要はない。

 

②金城(旭丘)生活指導報告

 金城が報告を担当しました。「生活指導の実践を聞きたいですか?」という質問に即答で「聞きたいです」と返事が返ってきました。今の教育現場では、生活指導を巡って様々な問題が起きますが、学生たちにとってはその実態を現場に入ってから知り、苦労することがほとんどです。今回の報告を通じて、大変な中でも色々学ぶことが多いということを感じてもらえれば、と思い報告をしました。

 

以下メモより

・今の教育現場をめぐる問題について

→現状、どの学校でも程度の差はあれ、絶対に障がいを持った生徒がいる

・報告自体は高校1年生の時から、生活指導に引っかかっていたある男子生徒が、学年リーダーやクラスメイトとの交流を通じて成長していく、という話だった。

→この報告では、報告自体より、学生が生徒指導についての質疑に重きが置かれた。

  学生たちは、「世界が違う」とショックを受けていた印象

・報告者より

→「やってみないと分からない」

自惚れないこと、と生徒の話はちゃんと聞くこと。どんな奴でも必ずバックボーンがある。

「なめられちゃダメ」は確かだが、関係性をわきまえておくこと。

 

③次回の日程

211日(日)16時~20時 709号室

①模擬授業:(立正大3年)日本史「秀吉の統一事業(検地と刀狩)」

②研究報告:(横国大4年)「卒論の発表」

です。3月も学生に報告をしてもらう予定です。

 

第3回youth salon チラシ
1月14日の第3回youth salon の内容や日時、場所などの詳細です。
第3回youth salonチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

第2回 Youth Salonの報告

日時  2017年128日(金)18002100  県民センター703号室

 内容  ①学生による模擬授業実践  ②大学院生による研究報告

参加者は14名(教員9名、学生5名)でした。都合が合わない等で参加がかなわなかった人もいますが、充実した会になりました。

 

①吉田昌平(明大大学院)研究報告:「植木枝盛の読書と思想形成 -『植木文庫』から-」

植木枝盛の蔵書(『植木文庫』)から植木枝盛の思想に迫っていくという研究報告です。まだ研究途中ながら、植木が本に書き込んでいるものに注目し、そこから考えられる植木の思想の変化について報告がなされました。
植木と言えば私擬憲法の「「東洋大日本国国憲按」を発表し、それが急進的なものであるとして注目されていますが、「国民主権」には触れられていない、その思想背景にあるものはなにか?というものが報告者の問題提起です。

フランス革命やアメリカ独立戦争に注目し、その成果、課題点に触れつつ、「立憲政体」を主張する植木の考えに、教科書だけでは学ぶことが出来ない新しい視点を得ることができました。

 

模擬授業実践「朝鮮問題 -壬午軍乱と甲申事変-」
・実践者の思い…高校時代、東アジア情勢を学んだ記憶が薄い。そこで、授業者として再検討し、歴史認識(日本人の中国・朝鮮観)を豊かにしていきたい。

 

・質疑応答
実践者の問い…「高校生にどこまで教えればよいか?」

A:生徒や学校の方針によって変わる。比較的レベルが及ばない学校では、教える内容を思い切ってしぼることもある(例えば、「戦争」をテーマに)。一方で、受験熱心校では、演習プリントや虎の巻、過去問などを駆使しながら、内容を全般的に組んで授業を進めていく。また、伝えたいことと年間計画の間で葛藤することも。

実践者の問い「授業振り返りシートの使い方について」
A:振り返りシートの使用目的によって、内容や形式は変わる。例えば、本時の内容のまとめなのか、生徒の感想・考えを述べるのかという違い。本時内容のまとめであれば、論述問題として出題するのもアリ。

 

・模擬授業全般に対する意見
生徒1人1人を下の名前で呼んでいて、とても親近感が湧いた。教室内の雰囲気をすばやく感じ取って対応していて素晴らしかった。
  
もう少し視覚を働かせられる資料(教具)を用いると良いと思った。来るインクルーシブ教育への対応も必要になってきている。

板書はもう少しシンプルで良いと思う。場合によっては、時間短縮のために、プレートを使うと効果的。また、倫理的な考慮が必要な表現(例えばジェンダー関係)には気をつけること。

板書内で、人間相関図などを提示すると理解が深まると思った。例えば、朝鮮王妃閔妃の立場の変化を、どの生徒も追いやすいものにしてほしい。

一人称の呼び方について。「先生は-」はOK?→小学校では普通。とある教員は「私」と言っており、また、学級活動ではタメ口を、授業では丁寧語を使っている。

トーク力があってとても良かった。できる限りで、導入をもっと重厚にやってほしい。

教採対策も含めて、主体的・対話的な歴史教育を創っていきたい。

大学生にとって、現役の教員に授業を見てもらうという機会であり、現役の教員からしても、大学生の授業を見て、良い刺激を受けるものでした。今後も、教員を目指す若者、現職教員のニーズに答えられるような会にしていければと思います。 

 

第2回 Youth Salon のお知らせ
第2回の例会のお知らせです。
youth salon 第2回チラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

第1回 Youth Salonの報告

2017年10月20日に、第1回Youth Salonの例会を行いました。

・参加者は11名(学生5名、教員6名)でした。

・初顔が4名、個人的な繋がりもありましたが、チラシを見て参加をしてくれたという方もおり、全国大会同様、チラシの効果を強く実感しています。

 

【内容】

1.自己紹介

 

2.金城さんの模擬授業

模擬授業について以下、書記の加藤さんのメモより

①序盤→雑談(選挙に行く意味・意義)

「日本史A」単元・・・開国

授業内容→ペリー来航~日米修好通商条約まで

      生徒への問いかけを多く取り入れる

      テストに出るところを明確にしていた

②模擬授業に関しての議論

・導入の雑談と授業との関連性は?

 →授業と雑談を交代でやったらどうか・・・

   必ずしもリンクさせる必要はないのではないか

   時事の方が必ずしも授業の内容とあってくれるわけではない

・授業中の雑談や導入はどうしているか

 →授業と関係ない話はするのかどうなのか

   導入の10分間でその授業がすべて決まると思っている

・日本史Aの最終目標は二次大戦の終結までだけど、終わらせるためには、どこをピックアップしてやるのか。

 →テーマを取捨選択し、テーマ史として貫徹する(ex.戦争をピックアップ)

 

3.授業者の感想

生徒以外に授業を見せるのが久しぶりということもあって、緊張もありましたが、皆さんの協力もあり、無事に終えることが出来ました。議論を踏まえて、自分の課題と向き合えたように感じています。

 

4.「Youth Salon」の運営について

当初「青年部会」という名前で始まりましたが、「固い」という意見を多方面から頂いたこともあり、様々な候補を挙げてきましたが、今回の「Youth Salon」がしっくりくるのではないか。ということで、確定はしていませんが、当面はこの名称で行こうということになりました。今後は「Youth Salon」という名称に統一させて頂きます。

 今後の活動についての議論もありましたが、当面落ち着くまで会場は県民センターに固定をし、模擬授業という根本を崩さずにやっていくということで確認が取られました。

 

5.次回は、128日(金)18002100  県民センター703号室

内容  ①学生による模擬授業実践  ②大学院生による研究報告

*模擬授業は固定で、様々な要素を取り入れていく予定です。

 

6.その他

・チラシは作成次第、アップさせて頂きます。

・今回参加してくれた方から2名が運営に関わってくれることになりました。

写真は次の二通りで見ることができます。

Facebook「神奈川県歴史教育者協議会」

Twitter「@rekkyoukyouCOY