2021年2月21日
Zoomによるオンライン例会を行いました。 参加者は17名。
*詳細については下記PDFを開いてごらんください。
①時期 2020年12月27日(日) 16~18時 ZOOMオンライン例会 ②内容
【1】多事総論 【2】実践報告の検討 1.KoNさん「コロナ禍の教育実習レポート」紹介と関心事) 2.KiYさん「教育実習報告」 詳細については、下記を開いてご覧ください。 |
オンラインでの合同支部例会を開催しました。
日時 : 2020年10月4日 16:00~18:00 zoomにて
参加者: 30名
報告: MYさんの報告『新型コロナウィルスから社会を見る総合学習の取り組み』
詳細については下記PDFをご覧ください。
2020年8月1日 オンラインにて合同支部例会を開催しました。
内容の詳細については、下記PDFを開いてご覧ください。
2020年6月27日
スカイプにて13名参加
【1】多事総論(一人2分程度自己紹介と関心事)
・新型コロナ問題の中で、子どもたちが自分たちには何ができるか、考えられたらと思います。
・最近のできごととして沖縄慰霊の日と安保、朝鮮戦争を重ねてニュースなどみている。
・戦争体験者のオンライン講演会を聞いている。
・実践とそれを通じてのやり取り。生徒たちがコロナの中の学校を話し合う会を始めた。
・高1担任。ようやく座席表をつくって、普段の授業が始まる。
・オンラインで90分×12コマ講義。コアカリキュラムの研究をしている。 等々
【2】実践報告の検討
Mさん「「スペイン風邪」と第一次世界大戦を考える―フィラデルフィアの事例」
この授業をしたきっかけは、隣の席の化学の先生が大学の先生をよんで授業をしようといったこと。薬科大の先生と一緒に取り上げられるテーマとして考えた。第一次世界大戦のところでは前の年にハーバー博士の実践もしていた。スペイン風邪は知っているが社会にどのような影響を与えているかは知られていない。政治的な判断をどう下すかを考えたいと思った。生徒のことを考えると一市民として政策をどう考えるか養いたいと思った。国としては戦争へと向かっていく中で、インフルエンザが広がっていく。国策と感染症拡大のジレンマをどう考えるか考えさせようとした。2019年11月に実施した。
例会の報告の詳細については、下記PDFを開いてご覧ください。
日時 2020年5月30日(土) スカイプにて例会を開催しました。
参加者は8名でした。
1.多事総論
・今までできなかったことにいそしんでいる。育鵬社9年目、今年が正念場。7~8月の採択に向けて取り組み中。深谷市の中学校におけるアベノマスク事件に驚いている。学校現場があまりに上からの指示で動かされているのに慣れて原点を見失っている。保護者に言われてはじめて気づいたことに愕然。文科省のことなら安心となっているのは振り返りが必要。
・昨日教室に1か月ぶりに入った。生徒いない。第二週から週二回登校させ授業。部活動できない。生徒会の文化祭担当だけど準備できていない。修学旅行10月沖縄にもいかないだろう。3年生の4月に延期予定、民泊できる。世界史Bをやる。遠隔授業をどうしたらうまくいくか、悩み。
・9月入学の話がでてきたことに火事場泥棒的だと思う。
・グーグルクラスルームでオンライン授業4月からしている。各家庭状況の環境整備をお願いしながら
進めている。一方で教員も使えるようにしていかないと。面談もグーグルミートでやっている。画面上
なのでもどかしいが。ペーパーレスはなかなかいい。かなりの印刷物があったものが配信できるので今
後もこれを進められるかなと思う。行事も延期・中止が決まっている。第二波、第三波が出てくるので
また変わってくるだろう。感染症をめぐってのいじめや医療関係者へのバッシングなどがあってはま
ずいので、教員の姿勢が問われてくる。
・去年まで非常勤だったが常勤講師となった。オンラインスタディサプリとグーグルクラスルーム組み合わせて授業。高校3年の授業。かなりの数の課題を毎週だしている。
・北九州から参加。3年前まで神奈川で勤務。学校は5月半ばオンライン授業後、先週実力試験、授業も毎日先週やってきたのに、6月からどうなるか。学内にネット環境なく急速に使用―ロイロノートとズーム。ズームを使って中学3年生地理授業。普段は映像資料・インターネットやカラーコピーできていい。グーグルアースで直接ズームの中で見せることができる。地理でやりたいことがオンラインでやりやすいが、生徒とのやり取りはスムーズにはいかない。子どもたちが自由に民主主義についてコミュニケーションをとったりする場を提供できないか。地域を越えて、時間を共有できるのがオンラインの魅力。
・オンライン授業についてこれない子がいる。課題を出すことでよしとしている。
・郵送で39人中38人は返ってきた。
・北九州は(コロナ感染者が)急増しているが、今のところ9割は登校している。
1. 『松本茂雄さん「シベリア抑留」体験を受けとめる授業プラン』 (Oさん報告)
*松本さんに何度も問われたのは自分の話を聞いて何になるのか――聞いた人がどうしていくのか?だった。
授業プラン作り=自分の中での消化、である。いろんな形の消化の仕方がある。今後もやりたい。
*主に考えているのは戦争体験をどう受け継げるのか。
自分の体験にこだわっていた。松本さんの体験がきけなくなったらそれで終わってしまうのか、松本さんと同じ体験はできないが、聞いている自分にとっても一つの体験なのではないか。戦争体験の聞き取りなどは生徒にさせている。聞き取りは大切なことだ。戦争は体験できないけれど。意識的に取り組みたいと思っていた。
*来年の中三の初めに取り組みたい単元。終わらない戦争の一つとして松本さんの体験を取り上げた
い。公民と歴史を組み合わせてやる。
*「心象画」にひかれた。生徒に直接それを見せて体験に迫りたい。個人の体験の意味を考えさせ
る。松本さんには「戦後がない」、ということを考えさせたい。
*授業展開では、「戦死広報取り消し」から授業を始めたい。
*シベリア体験では一般的には苦労話が多いが、松本さんはそうでもなく、客観的・一歩引いたような形で話している。多分戦後の生き方によるのではないか。
*なぜ松本さんは絵をかき、文章にするのか。
*心象画「満人一家の犠牲」を紹介したい。彼岸花の赤と彼らの遺体、青い服の少年が松本さんの心の中にまだ生きている。彼らに対する思いがあり続けている。
*「眼鏡の話」が印象的だった。「朝日新聞」を読んだうえで、なぜ投書したり、絵をかいたりするのかを生徒に問いかけて終わりにしたい。
2.『松本茂雄さんの体験から戦争の被害と加害を考える』 授業プラン(Fさん報告)
*オンライン授業をしている。
*ちょうど1年前に松本さんの話を聞いた。講演を聞いてグループワークをやった。どんな授業をくみたてるか、をもとにして考えた授業プラン。
*帝国書院の教科書使用。最近の生徒は資料が読めない。1時間では終わらないだろう。
*引揚者が何で日本に戻ってくるのかわからないという生徒⇒歴史を課題として考えなければならないと思った。
母は被害者の立場でしか戦争を語れなかったが、松本さんは客観的にみられている。
<授業でどう扱うか>
*松本さんの資料を見せて生徒に考えさせたかった。2020愛知大会でも生徒が歴史と向き合えるような授業提案をしたいと思っていた。
*資料は、自分史、朝日新聞投書など。一番読ませたいのは朝日新聞の記事。松本さんがみんなからの質問にいちいち答えを書いているところ。一番は朝日を生徒に読ませたいと思っている。
*ロイロノートでの共有を使いたい⇒松本さんの考える加害と被害を考えさせる。「松本さんの体験で最も過酷なのはどれだと思うか」ということを生徒に選ばせたい。
*生徒が「私はどうするか」で追い込みたい。松本さんの経験から「これから」を考える。松本さんは「国は何もしてくれていない」と考えている。生徒には「私は」と考えさせたい。それをみんなに共有したい。最後は松本さんに手紙を書いて、共有したい。
4.質疑・感想
・個人の戦争/戦後に着目しているのがいい。いまは聞き取りができなくなっている。
・アジアフォーラム横浜で証言集会でマレーシアの被害の個人史を聞いてきた。自分でも3年まえに無
名に近い人たちの話で生徒たちに考えさせる授業を取り組んだ。高校生の「なぜ戻ってくるの」という
意識は考える意義がある。当時の政府は「戻ってくるな」と言って、海外に残そうとしていた。
・「なぜ戻ってくるの」は、テーマとしては面白い。教科書には戦前移民を推進してきたことがあまり載
ってっていないかも。
・横浜にはJICAの移民のコーナーがある。教科書にも本来は取り上げるべきだ。
・Oさんの授業は中3で、とあるが、そこで取り上げるというが時間数などやりにくいところはないか。
―答え:学校の実態からできているプランである。1学期の中間ぐらいまでの間に考えさせる授業を作ってきた。例えば、慰安婦問題などもWAMに行ったりしてやってきた。
・二人とも中学校プランだが、高校でも移民の話などで地理授業でも扱えるし、満州などの国境線の違い
でも扱える。公民でも戦後補償の裁判(空襲の受忍論も含めて)など、戦後が終わらない云々も重要。
松本さんの気持ちや表現される絵を使うことは重要だと思った。松本さんが表現したことを想像する
ことで思いをはせることができる。
・今回松本さんに話してもらえるきっかけは「歴史地理教育」2014年8月号で取り上げてくれたこと。
・松本さんに学校に来てもらったことはない。授業の設定ができず、平和館での講演のDVDの一部を授業で見せた。まだ授業で扱えていない、今年歴史を持てるのでやろうかなと思っている。
・資料自体が客観的で淡々として迫力があり、授業で使わせてもらいたい。DVDも。そういうものを使
いながら人物にせまることが時代に迫ることだと思っている。そうしないと、個人に落ちてこない。生
徒に伝わるかわからないが、歴史の重層性、加害と同時に被害者でもある。
韓国や朝鮮の人たちのことも伝えたい。サハリンに行ったことがある。まだ韓国に帰還できずそのま
ま住み続けている人がいる。帰還できないことはどういうことか。構造が何重にもなっている。そうい
う構造を生徒に何となくでいいから感じてもらいたい。
・去年秋の対話型学習会のときに朝鮮人のことで質問していた院生がいた。教材化できなくても記録化
はしたい。
・シベリア抑留者が現地に学校を建てたというドキュメンタリーをみた。
個人史によると松本さんは、経済活動の仕事から退いた後語り始めた。日本の戦後史の中で、経済活動
に全力する時代があり、終わった後に語りだす。世代的な変化を教材化できないか。そういう人のこと
を生徒に考えさせたい。
・中学生では共通項でくくった授業をしているが、戦争の共通項をおさえつつ、個人の中に入り込んで考
えさせたりするのが、子どもたちと歴史を結び付けられる。歴史と向き合うというのは疑問を咀嚼しな
がらだから、一回では終わらない。歴史学習の大本を子どもたちに突き付けていく実践だと思った。
・中2のはじめにはできない授業だ。発達段階としては中2の終わりから中3がちょうどいい。
・こういう授業を自分でもやっていきたい。松本さんの話は使えなかったが、授業した。2割ぐらいの生
徒がシベリア抑留を知っていたから授業に入っていける。8割の生徒は知らないところから深く考え
させていく授業をしたい。
・Yさんの行った授業報告も是非聞きたい。
・シベリア抑留を知っているか、とか引揚をしっているか。自分の周りはみな引揚者だったが、たいてい
はいない。去年奉天に行ったが、人生が交錯している場でもあるのかなと思った。母が無事に生きて帰
ってきてくれたから自分が生まれた。Yさんの近くには、浦賀には引揚者のついた港がある。引揚者はまだいっぱいいる。生きた教材がまだ使える。
・この二つはまだ「プラン」でまだやっていない。また、神奈川歴教協として昨年の松本さんの講演会や
学習会で学んだことを何らかの記録にしたいと考えて事務局で動いている。方針が決まったら提案し
たい。オンライン例会はやらないよりはやった方がいい。
・九州からも参加してくれたのはオンラインの強み。
・他の支部のEさんの参加もそうだ。シベリア抑留を知らない世代に授業で扱ってみるのも試行しても
面白いかもしれない。学校の授業で扱うだけではなく、それ以外に学校外で「自分史を書く」ことも松
本さんからは課題として出されている。
5.今後について
・オンライン例会について、参加したくてもできない人もいるが、当面やっていく(いずれメンバーの意
見を聞きながら通常形態に戻す)。学校現場は7・8月が怖い。夏休みが短いので、相当忙しくなって
いるのではないか。そう考えると、オンラインで6月末ぐらいに実施したい。
実施するとしたら、新型コロナ関係の授業報告があえてこの時期にオンラインという形で取り組む必要があるのではないか。また、例会に参加していない人を誘う機会にもなる。『歴史地理教育』6月号にMさんという方が「スペイン風邪」の実践をしていて、とても面白い。この人を呼んでみたい。
・フェイスブック見つけた。1986年生まれ県立横須賀高校卒業。横浜市在住。本部経由で声掛けした方がよいと思う。
・生徒に課題出すとき、感染症の歴史を調べてきなさいというものを出した。それをまとめられたら手
短に報告したい。
・多事総論的にみなさんで取り組んでいることを紹介してほしい。未知の問題なので取り組みの価値ある。6月27日(土)午後4時から6時でやりたい。オンラインなので出入りがあっても構わない。
オンライン例会に参加できなかった人のメールより
・Oさんの授業計画、非常によく練られて、かつ、年度を超えた歴史学習の中にしっかりと位置付けられていることで、生徒によく浸透し、授業の目的に鋭く接近できるプランだと敬服しつつ拝読した。
謎解きのような「戦後がない」という表現が、どれだけ生徒に理解してもらえるかがメルクマールのような気がした。
・松本さんが特に拘っておられたいくつかの中の2点、
<日本は何もしてくれない>
<「戦陣訓」の意味と不合理(下にだけ強いられるなど)>
(「死すとももらすな」の731の秘密を売って命と地位を確保した石井や生体解剖をして医学部教授の地位を確保した多くの軍医たちなど)この松本さんの強い思いを、生徒が掴む事で、「戦争」の醜さや狂気を感じ取るだろう。
2020年4月17日(金) ⇒⇒今回は、中止とさせていただきます。
「シベリア抑留の授業プラン」
神奈川歴教協では、松本茂雄さんに2019年度総会記念講演会でシベリア抑留の体験をお話しいただき、その後3度にわたる対話的学習会で一緒に深めてきました。その成果として、今度は歴史教育に関わる私たちが、歴史教育でどのように受け止めたことを社会に働きかけられるかを考えようというのが、次回の例会の趣旨です。ここでは学校での授業プランのほか、自己教育としての自分史づくり、社会人向け授業プランなども含めて考えています。ぜひ、講演会などに参加いただいたかたもいらっしゃって下さい。